前鋸筋という、あまり知られていないけど大事な筋肉の話

肩こりや肩の違和感がなかなか取れない方を見ていると、「肩をほぐす」「首を揉む」ことばかりを続けているケースが多くあります。ですが実際には、肩そのものではなく、前鋸筋という筋肉がうまく使えていないことが原因になっていることも少なくありません。

前鋸筋は、肋骨の横から肩甲骨の内側につながる筋肉です。脇の下あたりに広がっていて、見た目には分かりにくい場所にあります。そのため、意識されることはほとんどありませんが、肩甲骨を安定させるうえで欠かせない存在です。


前鋸筋がちゃんと働いていると、体はどう変わるか

前鋸筋の役割は、肩甲骨を肋骨に沿わせて安定させることです。腕を前に伸ばす動きや、物を押す動作、腕を上に挙げるときにも関わっています。この筋肉がうまく働いていると、肩甲骨が必要以上にブレず、肩関節に余計な負担がかかりにくくなります。

逆に前鋸筋が使えていないと、肩甲骨が不安定になり、首や肩の筋肉が代わりに頑張ることになります。これが、慢性的な肩こりや、腕を上げたときの引っかかり感につながっていきます。


デスクワークが続くと前鋸筋はサボりやすい

長時間のデスクワークでは、背中が丸まり、肩が前に出た姿勢になりやすくなります。この姿勢が続くと、前鋸筋はほとんど使われなくなります。その結果、肩甲骨を支える力が弱くなり、首や肩ばかりが疲れる体の使い方になってしまいます。

肩こりがひどい方ほど、肩を動かすときに肩甲骨がうまく動いていないことが多く、前鋸筋の弱さが隠れているケースをよく見かけます。


前鋸筋を鍛えると、肩が楽になる理由

前鋸筋がしっかり働くようになると、肩甲骨が安定し、肩や首にかかる負担が減ります。腕を上げる動作がスムーズになり、トレーニング中の肩の違和感も出にくくなります。姿勢も整いやすくなり、見た目の印象が変わる方も少なくありません。

筋トレをしている方であれば、プッシュアップやベンチプレスなどの種目で、力が入りやすくなる感覚を得られることもあります。


前鋸筋は「力を入れる」より「使い方」が大事

前鋸筋は、重たい負荷をかければ鍛えられる筋肉ではありません。大切なのは、肩甲骨を寄せる意識ではなく、肋骨に沿ってコントロールする感覚です。軽い負荷でも、動きを丁寧に行えば十分に刺激が入ります。

無理に頑張りすぎると、別の筋肉ばかり使ってしまい、前鋸筋には刺激が入りません。地味ですが、正しく使えるようになると体は確実に変わります。


ジムでの考え方

当ジムでは、いきなりトレーニング量を増やすのではなく、まず肩甲骨がどう動いているかを確認します。前鋸筋がうまく使えるようになるだけで、肩の違和感が軽くなる方も多く、姿勢改善や肩トラブル予防の土台になる筋肉だと考えています。

肩こりや肩の不調がなかなか改善しない場合、鍛える筋肉を間違えている可能性もあります。一度、前鋸筋に目を向けてみるのもひとつの選択です。

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